マナーに無関心だった私が人様に教えられることなんてあるの?
前の記事からの続きです。
この記事のバックナンバーはこちらです
社会人向けPCスクールの役職者を務める女性の友人から生徒さん向け「マナー講座」の依頼があり、その当時、大のマナー嫌いだった私がお引き受けするに至った経緯をこちらに書きました。
かいつまんで言えば友人の依頼は「いわゆるマナー」ではなく、基金訓練の生徒さんたちにとって面接に役立つ名乗りや自己紹介や受け答えの仕方といったものだったので、そういうことなら「やりたい」と思ってお引き受けしましたが、それでもやはり礼儀正しいお辞儀などには触れないわけにはいきません。
正直、困りました。。。
前にも書いたように私は今まで自分立ち居振る舞いには無頓着で生きて来た人間なので、そういったことに本当に無知なのです。
ある私の友人は客室乗務員出身なので、自分もきれいなお辞儀ができますし、もちろんきちんと人に指導もできます。
だけど私は今まで、そういうことはどうでもいいと思ってやって来たので、基本もわからないし他人に指導などまるでできません。
そんな私にできることなんてあるの?
友達のマナー講座で「イケてない」自分がよくわかったこと
話は少し遡りますが、私は前述した客室乗務員出身の友達の公開マナー講座にお付き合いで参加したことがありました。
その頃は彼女も独立して間もなかったので、講座自体は「スッチー臭」(ごめんね)がぷんぷん漂うものでした(今は違うよね)。
数字と実力重視の世界で営業職としてやってきた私としては、自分の仕事と照らし合わせると「上品」「エレガンス」「女性らしさ」といった彼女が話す数々のキーワードが現実離れしていて受け入れ難く、最初から最後まで納得がいかない思いを抱えて帰宅した思い出があります。
ですが結果的にその講座は私に大きな気づきを与えてくれたのです。
それは「自分が思う自分と他人が見る自分は大きく違う」ということでした。
講座の中ではお辞儀の練習があったのですが、「もっと頭を上げて」「背中が曲がっている」等々、私は講師である友人に何度も注意をされました。
それがなんだか(友達ゆえの「いじり」的な)集中攻撃を受けているようでそれも不満のひとつだったのですが、自宅に帰ってから食器棚のガラスに映して実際にやってみると、驚いたことに自分のお辞儀はまさに友人のいうとおりでした。
「ちゃんとやっているのになんであんなに突っ込みいれるの?」という気持ちでやってみた帰宅後の「お辞儀」が、自分の予想に反して全然できていなったことが衝撃だったのです。
私はとっさに思いました。「ひえ~、こんなお辞儀じゃかっこわるすぎる!」
だったら動画で見てもらおう
よく「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」と言いますよね。
人材育成の世界では本人が自ら「これじゃダメだ」と自分自身で思わないと主体の変容はない、というのが常識ですが、私もまさにそうだと思っています。
私は自分のお辞儀を見て正直「これはやばい」と思いました。「やばい」という言葉に語弊があるなら「かっこわるい」に近いかもしれません。
そしてそのあと何度かトライして「かっこいいお辞儀」を練習したのも事実です。客観的な情報は人の意欲や行動を変える力を持っているのです。(あくまでもご本人がそう気づけば・・ですが)
そこで私はこの経験を今後のビジネスマナー研修に取り入れようと思いました。
「できていると思っていてもできていない」「かっこいいと思っていても実はかっこよくない」
というのはご本人にとってショックな事柄ですよね。ですがそれを目の当たりにして「もっと改善しよう」と自主的に思ってくださるならば、こんないいことはありません(まさに「講師要らず」かも??)
マナー講師として経験も実績もない私がマナー的な研修を行うためには、私が持っている知識(ありませんw)よりもまず、動画でご自身の現状をしていただくこと。
それが一番なのではないかと思った瞬間でした。そこで私が担当するビジネスマナー研修では皆さんの動きを動画に撮ってその場で再生して見てもらうというプロセスを必ず取り入れることにしました。