3月3日(土)は一関の縫製会社さんで、
スタッフヒヤリング技術の研修を行いました。
私は、こちらの会社さんで年に二回実施している、
役職者研修の講師を2014年から担当しており、
今回が7回目になります。

 

内容はコーチングの応用編になりますが、
最近、製造業の皆さんの研修や指導を担当して、
よく気が付くことがあります。

 

それは、スタッフに原因がある不具合が生じた時に行う、
真相究明のための聞き取りが甘いのではないか?
ということです。

 

ここでいう「甘い」というのは、
厳しく追及するというのとは違いますよ?
十分掘り下げて、偽りのないお話を引き出し、
どこに原因があったのか、真実を引き出すということです。

 

そのためには、信頼関係の構築も必要ですし、
相手を認め、言い分を受容し、責めない聞き方も必要です。
実はスタッフの方から真実を引き出すキーワードは、
相手の方への信頼と安心なのです。
そこが担保されなければ、なかなか真相は解明されません。
そして真相が解明されなければ、再発も防げません。

 

研修では、そんな内容を、
ロールプレイングを中心に学び合いました。

 

相手を承認するためのほめ言葉を出し合ったり、
効果的な承認や、アイメッセージについて共有。
心が通う雑談の練習もしましたよ!

 

 

 

そして最後は、全員ロールプレイング。
ミスをしてしまったスタッフからの報告を受けて、
聞き取りを行うというワークです。

 

こちらの現場で「やってしまった!」というミスは、
服地の表裏の間違いなのだそうです。
そこで、「間違えました」と報告するスタッフ役の方と、
ヒヤリングするリーダー役に分かれてロープレを行い、
それを動画に撮影して、皆で視聴しました。
(私の指示が曖昧で、個人的にも反省が⇒こちら)

 

どの方も、穏やかで暖かいヒヤリングがとても上手で、びっくり。
普段から仲のいいみなさんなので、意思疎通もできていて、
きっとぬくもりのある職場づくりをされているのだと思いました。 

 

 責めを感じさせる表現は使わない

(本日の受講者の皆様へ)

ロープレでは、場面設定と私の指示が曖昧だったため、
ヒヤリングよりも、指示出し中心になってしまったケースがあり、
個人的に反省しました。

本当は、対処対応が終了したあとで、
一度、じっくり話を聞く面談、という想定だったのですが、
皆様、申し訳ありません。
整理すると、対処の指示がもちろん最優先です。
ヒヤリングは、その後、ということになりますよね。

一点、気になったのは、「〇〇はしなかったの?」
「どうして〇〇しなかったの?」という表現です。
この言い方にはどうしても批判の感情が含まれがちです。

スタッフの方は、自分に向けられた責めの矛先を感じると、
曖昧な表現をしたり、本当をことを話しづらかったりするので、
「〇〇はいつ頃したの?」「どのタイミングで?」など、
表現を工夫して、本音を話しやすい問いかけに
変えてみてくださいね。
質問の言葉遣いを変えるだけで、答えが変わってきますよ。

 

 

 本日の研修について

研修名:役職者研修
タイトル:「管理者やリーダーが心得ておきたい ヒヤリング技術」
テーマ:部下指導、コミュニケーション、コーチング
内容:真相を引き出すお話の聴き方
業種:製造業(縫製)
人数:約20名
時間:役3時間
対象者:役職者の皆さん

 人材育成の言葉が2018年度方針に

半年ぶりに会社さんをご訪問したら、
人材育成に関する言葉が
2018年度の方針になっていました。

指導の禁句を以下に定め、
「職場は明るく元気に気持ちよく。」と言う言葉で
結ばれていました。

1.常識でしょ・・・・・・・・!!
1.そんな事も出来ないの・・・!!
1.前にも言ったよね・・・・・!!

こちらが伝えたいことをなかなかわかってもらえないと、
これらの言葉は、どうしても口をついて出てきますが、
こういった形で意識をすることで、
相手の事情にも目が届き、
よりよい職場環境やトラブル回避につながると思います。
素敵な方針だな、と思いました。