2018年(H30)6月27日㈬は、ある会社さんで、営業担当者コーチングと、電話発信担当者の指導を行いました。

 

こちらの会社さんは個人をお客様とする小規模の会社さんですが、休眠のお客様の掘り起こしや潜在ニーズ想起の目的で、既存のお客様に対して電話の発信に着手されました。内容は成約を得るためのものではなく、「お変わりないですか?」というご機嫌伺いに近いもので、最後にこちらの連絡先をお伝えしたり、必要があれば資料を送ったり営業担当者のご訪問を約束したりするものです。地域柄、お客様との関係性が深いので、ほとんどの発信先は、社内の誰かが相手を知っている、という感じです。

 

中小企業や小さな会社がアウトバウンド(発信作業)を始める時にはコツがあります。以下のような課題があるからです。

・教える人がいない、ノウハウが全くない
・普通は経験者もいない
・担当に指名された人の拒否感が大きい

 

今回の会社さんでは、幸い、事務能力が高く電話応対にも慣れた女性が担当者になることを快諾してくれましたが、普通はなかなかそうはいきません。みな嫌がって逃げ腰になりますし、承諾してくれたスタッフであっても、本当にどこから手を付けて何をどう進めたらいいのか、こちらが想像する以上に全く見当の付かない方が多いんです。今回の会社さんでも、皆さんの意欲は高いのに、私が難易度が低いと感じていたスクリプト(トーク台本)の作成では何度も足踏みをしてしまいました。

 

社長さん達は「家によくかかって来る電話のようにやればいい」と思うかもしれませんが、そう考えてひとりで着々と取り組むことができるのは、ほんの一握りの優秀な人達です。けれど、そういった人材はなかなか中小企業にはなかなか来てくれないものですよね。そんな状態で担当者を指名して「今度から電話かけしてね」とお願いをして、あとで結果だけ尋ねても、たいての場合、ルーチンとして定着しません。普段から見込みがあれば果敢に突進している経営者とは売り上げに対するリアリティが全く違うので、個人レベルでは推進力が弱いんです。

 

ですが逆に、大手の発信センターと異なり、中小だからできることもたくさんあります。今日はそれを踏まえたうえで、小さな会社が発信作業をするときの進め方と取り組みのコツを書きたいと思います。ポイントは「〇〇がないからできなかった」「自分の苦労を誰もわかってくれない」と言わせないこと。この2点です。そのためにもまずは環境を整えてあげて、上司の方も必ず仲間になってあげることです。

準備するもの

1.明確な目的と目標

とても大事です。電話発信を通じて何を実現したいのか、どうなれば理想的なのか、最終的に担当者は何がどこまで できればベストなのか?これを口頭ではなく紙に書いて渡してください。人が思考する回転数には個人差がありますので、耳で聞いただけでは瞬時に理解できない人たちもいるんです。ただし、企画書のように仰々しいものだと、プレッシャーに感じて(逆に意気に感じる人もいるのですが…)気持ちが萎えてしまう人もいるので、その辺は相手を見て、ということになりますね。

 

目標は成約数よりも完了件数(実際に電話がつながった件数。内容は問わない)のほうが最初は望ましいです。成約数を目標にすると担当者が落ち込んだり考え込んだりして手が止まるんです。そして、一本かけてはすぐ休み、一本かけては別な作業をしたりして発信数が大幅に減ります。そうすると経験値が上がらないので成約数も取れない悪循環に陥ります。成約に関してはあまり触れずに、まずはかけた件数を意識させて、成果よりもそちらを重視した方がスタッフが伸びます。なので成約が取れないことを叱るのは中小企業ではNGです。むしろ、目標件数をかけていないことのほうに軽く突っ込みを(笑)

 

2.発信先リスト

必須です。なければ必ずつくらせてください。ここに書き込む発信日時や発信回数、不在の記録や見込みにつながるアクションがとても大事ですし、担当者自身も自分が何件かけたか視覚的にわかりやすいため前向きに取り組みやすくなります。発信数と目標達成を毎日強いられる大手と異なり、ひとりのお客様に対してきめの細かい情報収集が可能なんですから。

 

また、発信者が複数いる時は必ずファイル共有サーバーにリストを置くなどして、担当者全員がいつでも見られて誰もが書き込める状態をつくってください。特に関わらない方がいいタチの悪いお客様ほど、社内の情報共有が必要ですので、そういった注意喚起の目印などもきちんとつけておきます。

 

3.電話機と発信のための部屋

やがて必要なくなりますが、初めのうちは、ほかの社員の聞こえるところで慣れない電話かけをするのはとても大きなストレスになります。小さなことを気にせずサクサクと発信できるようになるまでは、失敗してもいい環境を用意してあげたほうが精神的にもいいですし、ご本人にも「負担の多い作業で配慮されている」安心感を持ってもらうことができます。これも専門の発信業者さんでは無理。

ただし、担当者のキャラクター次第で、そういうことが気にならない人もいますので、一度「別の部屋のほうがいい?」と聞いてみるといいですね。

最初に取り組むこと

1.簡単なスクリプト(トークのシナリオ)をつくる

指導先の皆さんが、毎回スクリプトを熱望されるので、即興でその場でつくってみた簡易スクリプトです。電話発信は丁寧さや正しい敬語よりも、相手の心にすーっと入っていく自然なリズムとスピード感が大事なので、言葉遣いにはあまりこだわっていません。小さな会社さんは発信するお相手の方ともほとんどがお知り合いなので、むしろ普段の言葉遣いに近い方がいいと思います。以下の場合は、現在進行の既成事実に対しての確認なので、「よろしかったでしょうか」でもいいんじゃないかな。※自分はたとえ間違った使い方でも世間的に頻用されていて違和感がなければそれでいいと思う。もちろん業種やお客様の層によりますが。

 

 

2.できればスクリプトは上司がつくる

今回の記事の最大のおススメは、まず「上司が必ず先に何本か電話してみる」ということです。そのうえで、上司が簡単なスクリプトをつくって渡すのが一番スムーズに事が運びます。そこからやるのが担当者の仕事では?と思う方も多いと思いますが、ここが非常に個人差が大きいところなので、そこから任せせてしまうと、プロジェクトが止まってフェイドアウトしてしまう可能性があるんです。

 

頭で想像するだけではダメですよ。必ず実際に電話をかけること。電話の応対スクリプトは頭で考えたものほど実際には役に立ちません!(キッパリ)ベストなトークを思いついても実際はそれをほとんど話せません。生の会話は間(ま)や呼吸感が圧倒的に違うんです。だから一度、自分が作成したものにそって発信してみると、最初は撃沈すると思いますよ^^それを何度かかけてみて精査したものを渡すとよいです。

 

また、人はゲンキンなもので、ゼロから何もつくれない人でも、他人がつくったものは欠点がすぐにわかります(笑)なので、担当者に「ここはおかしい」「ここは唐突」と思うところを、直してもらえばいいんです。

 

3.情報の記録と営業への共有を徹底させる

最初はなかなか習慣付けができません。面倒に感じてしまって先に進みたくなるのが人情ですが、中小企業の発信は発信先の数にも限りがあって、ここに時間と手間を掛けられるのが最大の強みなので、徹底してもらいましょう。何を書いて何を省くのかイメージできない方も多いので、最初の数件は上司が見本を示すのもいいですね。

 

まさかと思われるでしょうが、誰が考えてもあきらかに受注につながると思われる問いかけをお客様がしているのに、担当者はまったくそこに気付かずスルーしてしまうことがよくあります。(本当にそういった方がたくさんいらっしゃいます)ですが、そこに対して腹を立てはいけません。センスというのはある程度生まれつきでどうしようもないことがあるんです。ですが、上手に導けば大化けします。なので、中小企業の上司がすべきことはやはり、オーダーの数で叱責するのではなく、記録の不備をなくし、機会の損失に関して意識づけを行い、今は草ぼうぼうの頭の回路を整地し踏み固め、少しずつ繋げてあげることだと思います。本人がなるほどと、腹に落ちれば回路も繋がっていくんです。

 

継続と定着のためにすること

・これはもう、いい対応やいい情報共有をしたら、褒めて感謝してあげることに尽きると思います。当初は褒め処がないスタッフでも、トークを何気に聞いてあげて「今の言い方いいね」「お客さんとうまくやっているね」と、たまに声掛けをしてあげると、段々成長してきますよ。

 

・一番良くないのが、任せっぱなしにして放置すること。能力が高いスタッフの場合は、それでも面白みを見つけて自分でトークや記録方法を工夫したりしますが、そうでない場合はやらされ感が強いので、褒められもせず叱られもせずチェックもされないようだとわかると、元来の拒否感が無意識に出てしまい、電話よりも緊急度や優先順位の高い作業を(なぜかこのときばかりは!)上手に見つけてきて(笑)「〇〇を先に済ませなければいけないので今日は電話できませんでした」と、上司がNOと言えない理由を述べたりします。

中小企業の人材育成は原石磨き

募集をすれば優秀な人材が応募してくる一流企業と異なり、中小企業の人材育成は原石磨きだと思っています。この仕事をしていると、多くの社長さん達に「弊社の社員はこれをしない、あれもしない」と嘆かれることが多く、また、仕事を任せてみると「こんなこともわからない」と驚かれる方が多いのですが、厳しいことを言えば、社長さん達が普通と思うレベルであっても、全部大手に取られていると一度腹をくくって感情を廃し、「できない」を「できる」に変える育成の工夫が必要になります。

 

そのためには、できるだけ、実践を見せて実物を見せるということ。アウトバウンドの場合は、お手本になる必要はありません。だから下手でも失敗トークでもOKです。まず、「上司は(社長は)やったことがないからわからない」と言わせない。そのうえで、難しい箇所や様々なお客様の違いを共感し合い仲間になること。そして担当者の方から「もっとこうしたほうがよくないですか?」のひとことが引き出されば、第一段階はおおむね成功だと思います。まずは、「こうしたほうがいいのでは?」と気付くこころと、自分に対してPDCAをまわす発想を育ててあげてくださいね。

 

 

以上、テレアポ経験者目線での記事でした。

 

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