今日はJ社さんの電話応対研修でした。
J社さんは衣料系のネット通販会社です。

今日は昨日の新入社員研修と異なり、
すでにお仕事をなさっている本社の皆さんの研修ですが、
担当の方のお話で、
電話応対研修は初めて」ということでしたので、
基本が多い新入社員研修用の資料をベースに、
名乗りの練習や、不在応対の練習などを行いました。

これまでに講師を務めた【電話応対研修】(一部)はこちら
これまでに講師を務めた【仙台市内】の研修と仙台市のブログはこちら

 

平均年齢が若い会社さんで活気があり、
名乗りはどの方も元気で明るく、好感の持てる応対です。

 ですが、その一方で、若い方に特有の話し方などもあり、
『若さ=幼さ=仕事の質への不安』
というイメージにならないように、
以下の2点のアドバイスをいたしました。

①「です」「ます」「ました」などの言い切りの語尾を強めない(力を抜く)

「弊社の営業時間は18:15まで"です"」というときの
「です」にアクセントを置くと、言い放つ雰囲気を感じますし、
小学生の教科書朗読や意見発表の言い方にもよく似ていて、
言葉遣いに幼さが残る印象が否めません。

 

お客様に応対キャリアを感じさせる、
品と安定感のある話し方をするには、
「です」「ます」「ました」に力を込めず、
さらに「す」を無声化すると
(無声音、声を乗せない息だけの言い方で短く)、
応対コンクールの出場者のような、
”大人”を感じさせる素敵な話し方になりますよ!

②言い換え型の敬語を使おう

動作を表す言葉を、
別な言葉の尊敬語に言い換える変換演習をしたときに、
「行く」→「行かれる」、「見る」→「見られる」
という回答が多く見受けられました。
言い換えなので、この場合の正解は、

「行く」→「いらっしゃる」
「見る」→「ご覧になる」ですが、

近年は確かに、
「部長、A社からのメールは見られましたか?」のように、
若い方には「れる」「られる」を付けて
敬語化する言い方が増えているように思います。
(でも、演習前の私の説明にも不足がありましたね^^)

ですが、「行かれる」「見られる」という言葉は、
「行くことが可能である」「見ることが可能である」
という意味もあり紛らわしいですよね。

また、単純に
「れる」「られる」を付けて尊敬語とするのは、
簡便で安易な方法でもあるため、
ほかに言い換えができる言葉があるのに、
それを使わないのは知性に欠ける、
という考え方も一部にはあります。
つまり、言い換え型の敬語のほうが、
敬語の度合いが高いのです。

ですので、(特に)ご年配のお客様に
幼稚であると思われないためには、
「れる」「られる」などの
付けたし型の敬語と、言い換え型の敬語を、
状況に応じて自由に使い分けるスキルが必要です。

言い換え型の敬語のほうが敬語の度合いが高いとはいえ、
ビジネスシーンの電話応対は文章のやりとりとは異なり、
(相手をイライラさせないための)
リズム、テンポ、スピード感も大事ですから、
「社長、今日は(取引先の)B社に行らっしゃいますか?」
と尋ねるよりも、
「社長、今日は(取引先の)B社に行かれますか?」
と尋ねたほうが、
言葉数が少なく、スピーディな受答えができる場合もあります。

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そういった意味では、
なんでもかんでも言葉を尽くして丁寧に言うという考え方は、
二重敬語(部長が”おっしゃられた” お乗りに”なられた” など)や、
さ入れ言葉(それでは、読まさせていただきます、
見させていただきます、歌わさせていただきます、など)
などのNG敬語にリンクしており、
(正しくは、「読ませて」「見せて」「歌わせて」)、
気持ちは十分わかりますが、これもまた、
短く簡潔に言ったほうが、その場の空気が締まり、
メリハリのあるよい区切りとなって、
ビジネスの進行がシンプルでスッキリすることがあります。

なので、どちらも使える人になる、
というのが重要ではないかと思いますが、
現状では、言い換え型の敬語はが不慣れな人にとっては、
「おっしゃる」「ご覧になる」「召し上がる」などの言い方が、
身の丈に合わないような、
取り澄ました言い方のように
思えてしまうかもしれませんね(^_^;)

でも、世間一般のビジネスでは、
決してそんなことはありません。
多くのビジネスパーソンが、お客様や上司に対して、
日常的に使っている言葉でもありますので、
どんどん口にして、慣れていただきたいと思います。

長く電話応対の研修をしていると、
新卒の方は会話力と言い回し、
若手・中堅の方は敬語力と言葉遣いのアクセント、
そして、それ以上の方は、
クレーム対応や依頼、お断りなどのネガティブ表現が課題かな?
そんな風に感じることの多い今日この頃です。

最後に、研修会場からオフィスに帰って
再び業務に戻った皆さんにご挨拶をしたら、
一斉に笑顔で明るいご挨拶が返ってきました。

細かいことを色々申し上げましたが、
とても気持ちのよいスタッフの方達でした。
私のコールセンター時代の後輩たちに、
雰囲気がよく似ているかな。
そんな懐かしい思いを抱きながら、会場を後にしました。
今日はありがとうございます。

 

<電話応対研修> ※3時間

・電話応対の流れ
・電話応対の基本的なビジネスマナー
・満足度お高い応対のポイント
・名乗りの演習と笑声(演習)
・「です」「ます」にアクセントを乗せない(演習)
・動詞の言い換え(演習)
・NG敬語にご用心
・困った電話のかわし方
・グッドマンの法則
・クレーム応対のポイント
・応対の主導権を持つ
・名指人不在対応の練習(演習)

 

 本日の研修について

研修名:電話応対研修
タイトル:「電話応対基礎研修」
テーマ:電話応対
内容:基本の座学とロールプレイング
業種:ネット通販ショップ
人数:約20名
時間:7:00~10:00
対象者:全社員の皆様
会場:社内会議室