夫と旅行するのはとても手がかかります
この春、私と夫は一泊の温泉旅行に行きました。次男夫婦からのプレゼント旅行です。
夫は「人混みに行くと目が泳いで酔う」という理由で昔から観光地に行くのを嫌っており、その延長で温泉も今まで一度も行ったことがないそうです。
また高速道路も「合流のタイミングがわからず、合流したあともスピードが速いと怖くて走れない」そうなので、これまで夫の運転で遠出したことはありません。
これも今思えば、ほかの人より視野が狭かったからではないか?と思ったりしますが、私は車の運転が好きですし、仕事柄、遠距離の車移動に慣れているので、夫がまだ車の運転ができていた頃でも、家族全員で県外の遠方に行くときにはいつも私がハンドルを握っていました。
温泉に関しても、60代後半になるまで一度も利用したことがないのなら、ウロウロと迷ったり何かを間違えて恥をかいたりしそうなので、夫が億劫になるのはわかります。
ましてや今は視力が低下して、照明が暗いと細かいものの判別がつかなかったり、案内表示の文字が小さいと読めなかったりするので、温泉にしてもどこにしても、夫は行ったことがない場所には基本的に行きたがりません。
ですが数年前に私の運転で、高速道路をスピードを出さずに走る約束をして、人がいない平日の鳴子温泉に夫婦で行ってみたんです。
最初は嫌がっていたお風呂も、男湯の入り口まで一緒に行って上がるタイミングも合わせてあげたところ、お風呂が心地よくてけっこう楽しかったみたいです。
そこで今回の温泉旅行は、もっと不安にならずにお風呂を楽しめるように、お部屋に露天風呂がついている旅館にしました。これなら外泊に不慣れで入浴設備の使い方がわからなくても、行ってその場で教えてあげられます。
泊ったのは一関の「果実の森」というところですが、とてもいい旅館(ホテル?)でした。お値段は高めですが、次男夫婦のお陰で思い出に残るいい旅行になりました。
現状一人では大事なことが何もできない?ならば病院も私が連れて行けばいい
今の夫は退職して主夫になり、仕事が忙しい私に代わって毎日の夕飯をつくってくれています。だから目が悪いといっても家事や買い物(カード払い)にさほど大きな支障はありません。(ラベルが見えにくいので肉の種類をたまに間違える程度)
ですがチェックインの宿泊者名簿に適切に文字を書けません。暗い場所では小さな文字や細い線が見えず名前や住所を記入する場所がまったくわからないため、とんでもないところに変な大きさで文字を書いたりします。
また、明るい照明がないと財布から取り出す小銭の区別がつかなかったりするので、二人で出かけるときは用紙の記入もお金の支払いも常に私が担当。なんだか小さな子供を連れたお母さんになったような気分です。
視力がまだそれほど悪くなかった頃の記憶があるので銀行のATMは使えますが、コンビニやスーパーの自動支払機は画面の表示が見えにくいので「次はここ、次はここ」と私が付き添って何度か練習をしないと使えません。
昨年、仙台市の健康診断にふたりで行ったときも、申込書を書けないので係の人に断って全部私が代筆しましたし、すぐに迷うので院内の移動も個々の検査が終わるのをお互いにずっと待って、すべて一緒に行動しました。
タブレットで注文するような飲食店もアウトです。というか紙のメニューであっても文字が小さいと見えませんし、ホテルの朝食バイキングも皿の料理が判別しづらく、今回も「あんたならわかると思うので、俺の好きそうなものを皿に盛ってきて」と全権委任?されました。
今はすべてがそんな感じなのですが、これでは大事な用事があっても自力では完了できないし、用紙に何かを記入するような紙ベースの申請が難しいので、役所や公的機関で何かの手続きをするときもたぶんひとりでは無理だと思います。
そう考えたときに、だったら眼科も私が連れて行って、私が窓口で手続きをして問診票も私が書き、先生の診断もふたりで一緒に聞いて、不明点は私から質問をすればいいのでは?と、温泉につかりながら、ふと思いました。
今までは大人の男性だからある程度はひとりでできるはずだし、なんでさっさと受診しないのだろう?と思っていました。
ですが、考えてみたらひとつひとつのハードルが高いので、誰かが付き添って難所をクリアしてあげないと、なかなか病院に行く気もしないのではないか?と気が付いたんです。(ごめんね、気づくのが遅くて)
そこで風呂から上がってすぐに提案し「私が車で連れて行って先生の話も一緒に聞いてあげるから帰ったら今度こそ眼科に行こう!」と言いました。夫もすぐに同意しました。
どうして眼科を変えようとしないの?セカンドオピニオンは大事よ?
ところが帰宅後、ここで小さな問題が。
話を聞いてみると夫は昨年受診した同じ眼科にまた行きたいみたいなんです。でも私は反対。
なんの見立ても見解も述べず、患者さんに納得のいく説明をしてくれない病院には少し疑問を感じたし、眼科にもきっと得手不得手があると思うんです。
それに患者さんの多い眼科なので検査して問題がなさそうな人に対しては、時間をかけた説明をしてくれないのかもしれません。
うちの夫も人の話をよく聞いていないところがあるので、実際は本人が言った通りなのかどうかもわかりませんが、夫の話を聞く限り、私はその眼科は夫には合わないと思いました。
ちなみに私は昨年転んで捻挫し、じん帯を切ってしまったのですが、それがわかったのも整骨院を変えたからです。
ある整骨院に二か月通っても一向に痛みが引かないのでただの捻挫ではないように感じ、ネットで調べて別の整骨院に行ってみたところ、「これはじん帯が切れていますね」と即座に言われました。
道理で・・・と思いましたが、施術者が変われば見立ても変わるんです。今はセカンドオピニオンという考え方が浸透しているので、病院に対して義理も不義理もないと思います。
ところがその話を何度夫に話しても、イマイチ反応が鈍いんです。それが私には謎に思われましたが、要するにうちの人は、行ったことないところに行くことにはやっぱり臆病なんですよね。こんなときに私なら、複数の眼科を受診してみて、一番よさげなところを選ぶんだけどな。
けれどその後、周囲の知人にも聞いてみたら?と水を向けてみたところ、夫なりにあれこれ聞きまわって、宮城野区にあるM眼科がいいらしい、ということがわかり、夫も少しずつ乗り気になってきました。
夫の知人がそこで眼を診てもらって最終的に手術に至ったのですが、診察も丁寧で説明も十分してくれるとのこと。ただし手術の設備はないので手術をするときには他院を紹介されるということでした。
※もしかして(もう忘れてしまいましたが)「そんなに前の眼科に行きたいなら私は連れて行かない。だったら自分で行って!」ぐらいのことは言ったかもしれません。。。
「俺、そこに行ってみようかなぁ」「いいんじゃない?(本音を言えば前の眼科でなければどこでもいい?)」
決まったら話は早いです。そこは眼科にしては珍しく予約制をとっていないようですが、ネットの口コミが高評価の一方で「混む」「待たされる」「駐車場が常に一杯」等のコメントも散見されます。
ですが、その近くで仕事があった日の帰り道に、場所を確認するために車で寄ってみたら意外にも駐車場はガラガラでした。行ってみるものですね。
自宅から車で30分の距離はちょっと遠いのですが、夕方ならイケる!そう確信した私はそれを夫に話し、ある日の16時過ぎに二人でその眼科に行きました。