津軽こぎん刺しの化粧ポーチ_20181102_142501

先週の金曜日は山形の芸工大さんで
教職課程を専攻している4年生の学生さんに
タイプ別コミュニケーションとコーチングの
特別授業を行いました。
(ブログはこちら

 

毎年のように学食でお昼を食べ終わり
そのまま仙台に帰ろうとすると
あら、新しくできたのか
または、昨年、気が付かなかったのか
入り口の売店の隣に(中に?)
クラフト品の販売コーナーができていました。

 

山形芸工大のクラフトショップ_20181102_142337

 

こういうのは嫌いじゃないし
可愛い小物があれば
記念に買って帰ろうかな?などと思い
中をのぞいてみると、
店内には絵本や布製品・・・

 

山形芸工大のクラフトショップ_20181102_142356

 

それに伝統工芸品も。

 

そしてちょっとオシャレでモダンな
手づくり民芸品などが
きれいにスッキリと
センスよく並べられていました。

 

山形芸工大のクラフトショップ_20181102_142430

 

下の写真はシナ縄の鍋敷きとスゲ縄の鍋敷きです。
私は草木をつかった製品や木工品を見ると
なぜか匂いを嗅ぎたくなるので(笑)
嗅いで見ました。
シナ縄は稲わらに似たニオイ、
スゲ縄は畳のイグサに少しにていたけど
ちょっと違う感じ・・・

 

実はおととし、山形のお仕事先から
山形県木材の鍋敷きをいただいたのですが
うちの夫が鍋の底に鍋敷きがくっ付いたまま
それに気が付かず、鍋をストーブの上に置いて
鍋敷きを焦がしちゃったんですよね?
(現物写真はこちら

 

なのでこのF/styleさん
(エフスタイル。新潟の女性二人の工房)
の鍋敷きはいいなーと思いました。
でもごめんなさい。
今回は時間切れで、見るだけにしました?

 

伝統的な染物や織物が現代風になると
素朴なのにオシャレでハイセンス。

 

 

芸工大クラフトショップ「亀田縞のティッシュカバー」_20181102_142526

亀田縞のティッシュカバー

 

棚を眺めていくと津軽のこぎん刺しの
とても素敵な化粧ポーチがありました!
うわー、これ、いいなー
でもお値段をみると「え!5500円!!」
思ったよりも、けっこう高いんですね^^

 

芸工大クラフトショップ「津軽こぎん刺し化粧ポーチ」_20181102_142501

 

もっと安いのないかな?などと(笑)
別な商品も手に取ってみたりして・・・
(こちらは3600円)

 

芸工大クラフトショップ「津軽こぎん刺し化粧ポーチ」_20181102_142449

 

刺し子はとても手間がかかり
ひとつつくるのにも時間を要するので
時給換算というドライな発想をすれば
作り手の方にとって本当は
この金額でも安いのかもしれません。

 

ちょうど先月訪れた庄内で、たまたま
男性刺し子作家の「刺し勇」さんから
刺し子のお話を伺ったのでそれを思い出しました。

 

刺し子って本当は貧しい東北の農村で
薄くなった野良着の肘や膝の
補強のために生まれたそうです。

 

お金がなく作業着や衣服を長持ちさせるために
ひと目ひと目に針を刺して
刷れやすい部分の生地を頑丈にしたとのこと。

 

なので元々は
自分たちの生活のための技術だったのに
いまそれがそれを商品にすると
日用品でありながら日用品の感覚から
はみ出した金額になってしまうところに
ギャップを感じたりしました。

 

多くの伝統工芸品は貧しい暮らしの中で
必要性があったから生まれてきた技術
なのかもしれません。

 

先ほどの亀田縞の説明も
もう一度よく読んでみたら
「農家の自給自足として織られていた」
と書いてありました。納得。

 

でも今はって頑張って自給自足するよりも
海外製の製品を買った方が
ずっと安上がりですよね。
私も一番使いやすいエプロンを
自分で手作りしてみようと思い
マブチ(生地屋さん)に行ってみたら
材料代だけでしまむらで買うエプロンより
3~4倍も高くなってしまうので
だったらいいや、とあきらめた経験があります^^

 

生活の中に強力なニーズがないものを
それなりのお値段で売っていくためには
よほど機能が優れている、とか
高いブランド価値がある、とか
特定の人達にとって
「それでなくてはならない必須の理由がある」など
”圧倒的に”突出した付加価値がないと
厳しいだろうなぁなどと
難しいことを考えながら
商品群を見渡してしまいました。

 

マーケティングはよくわかりませんが
「これはどうやったら売れるんだろう?」
と、すぐに考えてしまうんですよね(笑)

 

芸工大クラフトショップ「亀田縞」_20181102_142529

 

最後に余談になりますが、
山形には日本の三大刺し子のひとつといわれる
庄内刺し子があります。

 

このショップが
お土産屋さんでないのはわかっていますが
庄内刺し子だったら少し高くても買ったかも。

 

授業を担当するために
”山形の”芸工大さんに来たことの記念と
お仕事で訪れた山形に貢献したい気持ち・・・かな。

 

実質的な価値より高い価格の商品は
やっぱりそれを上回る個人のニーズが必要なんだなぁ
と、改めて感じました。