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クレーム応対は一般論が通用しない

先日、医療機関でクレーム応対研修の講師を務めましたが、お願いしたアンケートを拝見して、待ち時間に関する苦情が一番多いのだとわかりました。診療の待ち時間、会計の待ち時間、駐車場が満車でなかなか車を停められなかったり、診断書の連絡がなかなか来なかったり。

クレームは、逃げたり及び腰になったり責任転嫁をしたりせずに、迅速に誠意をもってしっかり対応するのが基本ですが、混んでいる、時間がかかる、というクレームは窓口ではどうすることもできず、ただお詫びを述べるしかありません。市販されているクレーム応対の本はたくさんありますが、基本的にどれも役に立たないんです。

クレーム応対の研修を長く担当していると、この項目ほど業種や組織によって対応が異なるものはなく、これほど一般論が成り立たないテーマはないのではないか?と思うぐらいです。

相手が誰かによって180度違う

新入社員研修などでクレーム応対のロールプレイングをやると、お客様役になった若い皆さんはたいてい怒鳴ったり罵ったりネチネチと不満を述べたりしますが、そういったお客様は実は稀で、実際はその業種によって様子がかなり違います。

一番状況が異なるのが、BtoB、つまり法人が法人を相手にする業種の場合で、この場合は親身な対応や丁寧なお詫びの言葉などはそれほど重要ではなく、「いつ、誰が、どこに赴いて、どう対応するのか」をとにかく早く確実に相手に伝える必要があります。そしてすぐに実行するのは言うまでもありません。

納品した商品の数が違う、ものが違う、あるいは設置工事した設備の寸法が違う、仕様通りではない、などは長々と謝っているヒマなどなく、場合によっては一刻も早く担当者を現地に派遣しなくてはなりません。その場合はお詫びの言葉よりも、できるだけ早く担当者をつかまえて予定を調整してもらうスキルが必要になります。

研修を通じて知るリアルな現場

なのでクレーム応対研修をお引き受けするときは、その会社やその業種でどんなクレームが多いのかを知っておかないと、皆さんにあまり有益な情報を提供できません。けれど事前に伺っても打合せ段階ではなかなかリアルにイメージできないんですよね。それは研修の窓口担当者が人事や総務など今は現場から離れている事務職の方だからかもしれません。

ところが実際に研修の中で参加者同士にロールプレイングをやっていただくと、皆さんが普段、どういったクレームでお困りか手に取るように見えてきます。

管工事なら「水漏れが発生した、今すぐ来て!」「エアコンから異臭、今すぐ来て!」電源設備なら「アラームが鳴っている、今すぐ来て!」など、「とにかくすぐ来い、早く来い」がほとんどですが、警備業になると「工事の音がうるさい、工事期間が長い」などで、しかも警備員の方はクレームよりも何よりも道を尋ねられることが圧倒的に多いようです。

また、同じ警備でも大病院の駐車場の場合は「入るのにいつまで待たせる?」「病人なのに遠い場所に誘導された」「何台も空いているのになぜ入れない?」など、それはそれでまた異なります。

一方、通販のクレームは発送の間違いに関するものが多いようですが、不良品を交換する手順が複雑だったり、(サイズや色も含め)商品が想像したものと違うためお客様都合で返品や交換をするときの送料負担や返金時に差し引かれる手数料なども苦情の一因となるようです。

業種に特化した研修を

私が自分の研修の参考にしようと思って数年前に買った本には「クレーム応対の3ステップ」や「信頼関係の築き方」などが書いてありますが、はっきり言ってこれらが研修で有効だったと思える経験はあまりありません。(こういった書籍は個人が相手の小売業を想定しているものが多いため、私の仕事のお客様とは層が違うのだと思います)

むしろ書籍や参考サイトよりも、研修で皆さんが演じてくれる様々なクレームのほうが私にとっては大きな学びになることが多く、こうやって様々な業種の研修を担当していると、クレーム応対には万人に当てはまるような王道などない、と痛感させられます。

幸いと言ってよいのかどうか(?)、私は転職回数と経験業種が多いためどんな仕事でもある程度雰囲気がわかることが今となっては強みかもしれません。これからも現場の皆さんの声を聞きながら、少しでも皆さんの役に立つような内容を提供していきたいものです。




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