ハラスメント防止研修で思ったこと
先日、ハラスメント防止研修を行いました。
知人から依頼された全社員研修(管理職1回、一般職2回)でしたが、ふと気になって「皆さんのハラスメントの相談窓口ってどこですか?」と、毎回、氏名をして何名かの参加者に聞いてみました。
すると答えは全滅で、全3回のうち、どの回も事前に伺っていたものとは違う答えが返ってきました。
・わかりません
・すみません、知りません
・とりあえず上司に相談する
・なんか産業医の人?
正解は(私が確認したところでは)「健康管理室」(という窓口があるらしい)だそうです。
事前にお聞きしたのは、そこで上がって来た相談に対して、人事総務課の主任と保健師が一次対応をして、必要に応じて産業医につなげるというフローを取っていらっしゃるようでした。
でもね、誰もそのための相談窓口を知らないのは、組織側の怠慢と言わざるを得ない部分もあるんです。
スタッフの休憩室に貼ってあるという小さなポスター(A4サイズ)をいただいたのですが、そこにはひとことも「ハラスメント」という言葉が書かれていないんですよ。
そのチラシは、パッと見の印象では、どちらかというと「過重労働」とか「負荷増大による”うつ病”」とか、勤務形態によるメンタルヘルスのほうに焦点が当たっている内容でした。
このチラシを見た人は、その部門でハラスメントの相談も受け付けているとはイメージしにくいのではないかと思います。(文言を追加していただくようにお願いをしました)
本気でハラスメントを撲滅したいの?
職場のハラスメントをなくすためには、相談窓口の連絡先や、(ハラスメントへの懲戒を明記した)就業規則の周知徹底も施策のひとつなのですが、その点についてはこれからなのかもしれません。
ただここでひとつ気になることは、ハラスメントの防止というのは「研修をすればいい」というものではないと思うんですよね。
組織がそれなりに体制を整え、細部まである程度のルール化を行い、相談窓口担当者の受付スキルも上げるなど、講師任せではなく、自分たちもそれなりに行動を起こしている現実が必要なのではないかと思います。
3回の研修を行いましたが、そもそも本件のご依頼をくださった部長様は、どの日も顔を見せることがなく、研修にも同席してくださいませんでした。
ですが、その一方で、ローカル企業でありながら上場されているような会社さんは、社長さんを含め役員一同が参加してくださる場合もあります。
あまりいいエピソードではないかもしれませんが、「懲罰の対象であることが浸透してきたお陰で、皆が言動に気を付けてるようになった」という事例もあります。
ハラスメントの防止は 「トップから」「組織ぐるみ」この原則を忘れないでほしいものです。