ある商品が不良品だったので、交換品を送ってもらったら、
メーカーさんから写真のようなお知らせが入っていました。

 

通常、不具合品は製品改良のために
回収をお願いさせていただいておりますが、
ご申告いただきました不具合品に関しての
返送は不要となりました。

 

ん?

「お願いさせていただいておりますが」
ですって???

す、すごいですね・・・
丁寧すぎて、個人的には違和感を覚えます。
こ、こ、これは二重敬語(三重?)にならないの?
(未確認^^)

この場合は、普通に、
「お願いしておりますが」でよいのでは?
それよりも何よりも、この言い回しに、
不自然な感じを持たないのかなぁ。。。

NG敬語とされている「さ入れ言葉」について

これとは別の話ですが、
よくあるNG敬語として、
・読まさせていただきます
・歌わさせていただきます
・置かさせていただきます
・休まさせていただきます
・帰らさせていただきます
・伺わせていただきます

などは、「さ入れ言葉」と言いまして、本来は間違った使い方なのですが、正しいか、間違いか?というよりも前に、発音しにくく、語感もよくないので、
(滑舌上、とても言いにくい)自分にはとても田舎臭い表現のように感じます。

イメージとしては、地方の議員さんとか、演歌歌手?私は素でも使わない言い回しですが、若い人は違和感がないのかなぁ、ないんだよね。

「休まさせる」「帰らさせる」「伺わさせる」
に関しては、今から22年前の、平成8年度「国語に関する世論調査」の結果について でもすでに、50パーセント以上の人が、
気にならない、と答えているので、
今はもっと割合が増えているんでしょうね。

気にならない人が増えている

またその前年の、平成7年度「国語に関する世論調査」の結果について では、
・おめしあがりください
・お帰りになられました
・おっしゃられた
などの二重敬語(本来はNG)に関しても、気にならない人が増えている点が言及されています。

私は二重敬語のほうはそれほど気になりませんが「さ入れ言葉」はなぜか気になるほうで、オフィシャルな式典で司会者が「読まさせていただきます」などと言うと、何となくインテリジェンスに欠ける印象を抱いてしまいます。

あくまでも私のイメージですが、そう言った言葉遣いをするのは若い人たちのほかに、腰は低くて丁寧だけど中味はそれほど洗練されていない、地方の議員さん、演歌歌手、そして加えて言えば営業スタイルがこびへつらい系の中堅男性営業マン?(笑)

私はそれと同じ感覚で、先ほどの「お願いさせていただいておりますが」にも、(辛く言えば)敬語を知らない人が頑張って書いているような垢抜けない印象を感じてしまうのですが、ちゃんとした会社の公的な文面でこうやって書いてくるのですから、疑問を持たない人が増えているんでしょうね。

だけど言葉は時代と共に変わっていく

言葉の世界は時代と共に多数派が主導権を奪っていくので、やがて私と似た感覚を持つ人は同世代以上に限られてしまい、「それっておかしいんじゃないの?」と疑問を呈しても、「どこが?」と言われてしまうのかもしれませんね。

最近の敬語の変化を考えると、前後に丁寧な言葉をどんどん付け加えて敬意を表すような方向に変わってきていると思います。

あっさりシンプルに伝えてしまうとそっけなくて心がこもっていないような印象を与えてしまうので、頑張って一生懸命装飾しているんだと思いますが、
ここまでいくと、逆に浅い感じがしますよね^^

正しい敬語は意外にシンプルだったりします。