12月15日(金)に、多賀城市文化センターで開催された、
「仙台箪笥の過去・現在・未来」という展示を見に行ってきました。

 

主催は宮城県地域文化遺産復興プロジェクト実行委員会(宮城県)ですが、
今年の後半に一緒にお仕事をさせていただいた、
仙台写真工房さんが関わっているイベントとしてご案内をいただき、
夫と二人で出かけました。(チラシのPDFはこちらです)

 

関連記事:仙台箪笥の図録資料をいただきました

 

 

会場には明治時代などの古い仙台箪笥の展示や、
制作過程の説明パネル、それに体験コーナーなどがあり、
夫と二人で、半日楽しんできました。

 

テープカットから参加しました!

 

 

 

 

 

 

仙台箪笥って、なんと輸出されていたそうですよ。
明治時代に、七ヶ浜の
高山外国人避暑地に来た多くの宣教師たちが、
本国に帰る時に買い求めたらしく、
明治後半には輸出が始まり、
その頃から、外国人向けに、
龍や唐獅子など、金具の飾りが
派手になっていったようです。

 

会場には現代風にアレンジされた
モダンな仙台箪笥も展示されていました。
展示品を撮影してよいかどうかわからなかったので、
会場でいただいたパンフレットからご紹介。
こんな感じです。
この右下の(2)ピンクの脚付きチェストが
298,000円だそうです。
(やっぱり本物は、ちょっといいお値段^^;?)

 

 

でもやっぱり私は、木の質感と木目が感じられる、
木地路塗り(木目を出す塗り方)のほうが好きかな。

 

仙台箪笥が今も残っているのは、
指物、塗り、金具などの製作が分業制であったことと、
それらの複数の職人さん達が、
元請けからの外注制(?)で仕事をしていたため、
仙台箪笥の技術が「一子相伝・門外不出」にはならず、
戦争などを経ても、どこかの工房が生き残ることで、
結果的に(今でいう)リスク分散になったそうです。

 

仙台箪笥は今もつくられていますが、
高価だし、デザインもかなり和風だし、
今はどんな目的でどんな人が買うんだろうな。

 

昔、我が家には、祖母の桐の箪笥や、
母のケヤキの箪笥がありました。
当時は嫁入り道具のメーンが箪笥だったと思いますが、
今はその感覚も薄らいで来ていますし、
どんな人が新品を買うのか、少し興味ありますね。

 

ホテルなどではよく、
高級そうな洋風の調度品を見かけますが、
仙台箪笥も、旅館や割烹の調度品だけに使われるなら、
ちょっと寂しい気もしますし、
日本のお金持ちには、なるべく日本の、
伝統工芸品を買っていただきたいです。
じゃないと、技術が寂れちゃいますよね。
(って、人任せ?)

 

ミニ箪笥の組立に挑戦してみました

さて、会場にミニ箪笥の組立体験コーナーがあったので、
夫と二人で挑戦してみました!

 

完成品はこれ。

 

 

でもこれなんと!釘を一本も使わず、
板を組み合せてできているんです。
バラした状態がこちら。
いったい何がなんだかさっぱりわかりません・・・

 

 

夫も私も悪戦苦闘(汗)
係りの職人さんに聞いたところ、
小学生のほうが、あっというまに組み立てるとか。
今まで一番早かったのはイラン人の方で、
確か、2分ぐらいで完成したと言っていたような?
(無理無理・・・)
以下は、ちんぷんかんぷんな夫を撮影(笑)

 

 

職人さんのお話がとても面白かった

私達を担当してくださった職人さんのお話が
とても面白かったので、
すっかり聞き入ってしまいました。

 

 

私達が助言を受けながら
(というかほとんど全部教えられて?)
完成させたミニ箪笥ですが、
その引出しの底板の先が出っ張っています。

 

箪笥は何年も経つと、木の収縮によって、
引き出しの奥行きの長さがが箪笥本体よりも伸びて、
閉めても前面にせり出した状態になるため、
ここを削って調整するためのものだそうです。

 

私の説明よりも、
実際に聞いたほうがわかりやすいので、
ぜひ、以下の動画をご覧ください。

 

 

この方からは、興味深いお話をたくさん伺いました。
以下、箇条書きで列記。

〇動画でも話されていますが、木は方向によって収縮率が違う
〇立っている垂直方向を1とすると、水平方向は20
〇そのため木を組むときは板の木取りを考えながら組む
〇仙台箪笥の木材は、栗やケヤキ
〇木材は伐採して使わないと森が荒れる

〇なので現在は、木の家具が結構流通している
〇このミニ箪笥の木材は宮古産である

 

宮古と聞いてちょっと意外。
でも私は以前、岩手県で、
林業をやっているという大船渡の方のお話を伺い、
三陸の沿岸部は意外に林業がさかんだということを、
初めて知ったのでした。
そのことを尋ねると・・・

 

〇岩手県はそもそも面積が広いので木が多い
〇そして岩手県は広葉樹が多いんです

 

なるほど~そういうことか。

 

それにしてもこの接合部分(組継ぎ)の
凸凹がピッタリで驚きます。
これはどうやって削っているんですか?
(個人的には電動糸ノコ的な道具を想像…)

 

 

〇人が手で削っています

 

えーーー!!!これって人手なんですか。
私がひとつひとつに反応するので、
もしかしたら、係の職人さんも楽しかったのかも。
「これで削っています」と、
道具一式(ノミのセット)も笑顔で見せてくれました。

 

 

金具打ちにも挑戦

職人さんの説明を聞きながら、
ミニ箪笥組立に挑戦した後は、
工作室で、金具つくりにも挑戦しました。

 

展示室の出口のところで、
図柄を選んで、材料をもらいます。

 

 

工作室に移動して、係りの方や、
先ほどとは別の職人さんに説明を受けながら、
早速開始!

 

 

残念ながら、
私は欲を出して難しい図柄を選びすぎ(汗)
時間内に終わりませんでしたが、
夫はシンプルな図柄にしたので、
なんとか完成しました。(帰宅後撮影)

 

 

こちらの体験コーナーも、
小学生が夢中になって長時間取り組むらしく、
昨年も参加した私の友人の娘さんは、
「帰ろうと言ってもなかなか帰らない」かったそうですし、
今回も、閉館ギリギリの20時まで粘って、
制作されていた方がいらっしゃったそうです。
(私は根性が欠けていたかも・・・)

 

ということで、今回は平日でしたが、
夫婦で楽しい半日を過ごしました。

 




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