ちのってどこ?

研修のご依頼があり、生まれて初めて長野県をご訪問いたしました。日数は二泊3日。

お仕事先の会社さんは長野県茅野市にあります。茅野?なんて読むの?どこにあるの?

長野県の方には大変失礼な文面になるかと思いますが、東北人の私にとって、茅野は名前すら初めて聞く未知の土地でした。…というか、そもそも、長野県って仙台からどうやって行くの?

仕事先の担当者さんによると、経路的には、仙台→東京(または大宮)→新宿→(特急『あずさ』)→茅野 で行けるそうで、『あずさ』と言えば私達世代なら誰もが知っている『あずさ2号』!その『あずさ』に乗れるのなら、SNS的にもネタになるかな~?ぐらいの気持ちで向かいました。

いやー、それにしても、『あずさ』って、長いんですね。厳密には『スーパーあずさ』なんですが、仙台で暮らしていると、新幹線=ノーマルでスタンダード、在来線=ショボくてそれなり、という意識があるので、在来線なのに12両編成というのは想定外で(しかも途中で連結しているし)、SNS用に先頭車両を撮ろうと思って歩いた私は、行けども行けども先頭にたどり着かず、新幹線並みの長さに恐れ入ってしまったのでした。

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現地で見た地元新聞で県内上場企業を見てみる

初日の夜はホテルのレストランで夕食を取りました。カウンターに信濃毎日新聞という地元紙があったので手に取って開いてみます。

ふーん、『県内上場企業の株価』ねぇ・・・株や投資は何もわからない私ですが、社名のラインアップを見てみると、セイコーエプソンの諏訪ですし、やっぱりなんとなく精密機器が多い感じ?

するとその中にHIOKIをはっけーん!!!おおー、HIOKIって長野県の会社さんだったのね。

実はワタクシ、仙台で電源システムや産業用蓄電池設備の設計・施工・メンテナンスをされているGSユアサ代理店『ミカド電装商事』さんのメルマガやニュースレターをライターとしてお手伝いしており(詳しくはこちら)、先日、HIOKIの検相器の写真を探して記事にしたリしていたんですよね。そのときに、日置(HIOKI)って変な名前の会社だなぁなどと思いながら出稿したのですが、こんなところでお目にかかるとは(笑)

 

長野県人は理屈っぽい・・・らしい

 

さて、長野県ですよね。

今回のお仕事は2泊3日ですが、なぜか今月5月は仕事が直前まで立て込んでいて先々のお仕事の資料をつくるのが精一杯。ずっと気にしながら、結果的にカットもカラー(いわゆる白髪染めw)もできないまま長野に来てしまいましたが、なんと滞在先ホテルの数件隣に美容院があるじゃないですか!しかも(失礼)私が仙台で行きつけの美容院のように、かなり前から電話しないと予約できない…という雰囲気でもなさそうだったので(すみません)仕事帰りに「今からでもいいですか?」と電話して早速お店に行きました。

でも、お客さんは私だけ。入店前に店外で一服している男性を見かけましたが、その人が私を担当してくれた美容師さんで、あとはその方のお父さん?私が行かなかったら、閉店していたかも?ぐらいの閑散とした感じで、思わず、駅に近いのにこんなで大丈夫なの?と思ってしまったのは内緒です^^

さて、そこでなかなかユニークだったのが、このお店の美容師さん(男性。たぶん40代前半ぐらい?一応、それっぽいイケメン(笑))。

聞けば東京で仕事をされたあと、今は故郷の茅野に帰って来てご実家の美容院を両親と共にやっているようでしたが、この人、物腰は柔らかいけど会話的にはすごく意固地で頑固なんですよね(笑)

たまたま見ていたTVの地元番組で、長野オリンピック以来20年ぶりの五輪出場を決めた男子カーリング『SC軽井沢クラブ』のメンバーが、長野県知事を表敬訪問したニュースが流れていたのですが、それを見た私が「地元は盛り上がっているんじゃないですか?」と投げかけたところ、回答は以下でしたw

「いやー、長野は毎年、冬季オリンピックには大量に人を出しているんで、別にって感じですね。だいたい、この諏訪地方でも4~5人は行くんで。」

あっそ。はぁ~って感じですが、彼曰く、「長野県人は妙に理屈っぽくて、どうでもいいような枝葉のところを、あーでもない、こーでもないと、議論するけど、結局、結論は出ないよね?みたいな感じで終わっちゃうような県民性」なんだそうです。

その前後の話題から、「そもそも、あなたも理屈っぽいよね?」と突っ込みを入れたくなりましたが、たぶん、自分でも十分わかっていて、かつ、それを案外嫌いじゃないと思っている感じだったので、そこを言及するのはやめました。

といいますか、彼のその後の話が本当に面白かったので、私も思わず聞き入ってしまいました。

松本市と長野市は仲が悪い

恥ずかしながら、私は50代半ばの今に至るまで、世の中に「長野市」というCityがあることを知りませんでした。長野県の県庁所在地は松本だと思い込んでいました。ですが、それが間違いだったことがこの時点で判明(汗)

しかも、その県庁所在地の長野市は県の北の方にあり全県で見れば位置的に非常にバランスが悪い場所にある(なんだか、福島みたいだなw)。何かの経緯はあったようですが(聞いたけど忘れました)、松本市民は、自分らが当然県庁所在地になるべきところを、長野市に持っていかれて、今も恨みに思っている。特にお年寄りは今もその話をする。らしいです。

長野県の各地域同士は同県である連帯感は全くない

彼によると長野県は大きく6つの地域に分かれるそうです(たぶん、独断も入っているオリジナル?)。内訳は、川中島平(長野市がある盆地…らしい。詳細は不明。なぜかこの地域だけこの名称をつかう)、松本諏訪(茅野も入る)、佐久・上田伊奈・飯田木曽の6地区だそうです。で、それらが皆、山で遮られているので交流も少ない。

さらに、長野県というのは様々な総称でくくられる県でもあり、中部地方、甲信地方、信越地方、甲信越地方、など、複数の線引きが存在する。そのため、(私が思うに)東北地方の『東北6県』(電力さん系だと新潟も入れて7県ですが)のような、わかりやすいまとめ方はされないようで、地域・地方的なまとまりはないし、県全体で見ても連帯感は希薄である、とのこと。

長野県人は各地区で隣接する県の県民性に影響されている

長野は今まで行ったことがないので、地理的にも不案内な私でしたが、「木曽は静岡や名古屋?と隣接しているのでそっち系」「長野市は新潟寄り」「佐久・上田は群馬気質」みたいな話をされました。でも、ものすごく説得力があって面白かった!

 

御柱(おんばしら)が生活の中心になっている諏訪地方

 

仕事で他県に出張する、と言うと、「観光地や美味しいものを体験できていいですね」とよく言われるのですが、先方が行程を組んで交通費や宿泊費を負担していただき、場合によってはホテルへの送迎までやってくれる会社さんなどもあるので、自由時間はあまりなく、お仕事先とホテルを往復するのみ、ということが多いです。

そんな中、今回は研修を受講されているリーダーさん達が、研修開始前の朝早い時間に、わざわざ諏訪大社や地区で著名な日本酒のお店などを案内してくださいました。本当に、感謝です。

メンバーのお一人が諏訪のご出身ということで、地域の事情に非常に詳しく、その方に諏訪地方の習慣などを教わりました。でも彼女が言うには、「自分などはまだ知らないほうで、地域のお年寄りなどは本当にすごい」のだそうです。

長くなるので、彼女から伺ったお話は、リスト表示するにとどめますが、とにかく諏訪地方の皆さんの暮らしが御柱(おんばしら)ありきで成立していることがよくわかりました。

御柱祭に関する聞き書き

・諏訪地方では個人の家の敷地内にも御柱がある。敷地のどこかに祠を祀り御柱を立てる。家の改築時には仏壇の魂抜きに相当する神事を行う。

・確かに、車で諏訪大社に向かう途中で、敷地内に御柱を立ててある企業さんを実際に目撃しました。御柱というのは一社の神事やお祭りではなく、地域に根差した信仰的な習慣であるようです。

・余談ですが、諏訪地方では神道の家も多いとのこと。ちなみに神道のお葬式は、亡くなった方が神様の世界の一員になるお祝い?でもあるので、仏式に比べて賑やかで華やか?なのだそうです。

・諏訪大社では参拝のお客様が皆、必ず一礼してから境内に入ります。宮城の神社では見かけない風景なのでびっくり。しかも境内に入る入り口で小さな橋を渡る箇所があるのですが、橋の真ん中は神様が通る道なのでそこは歩かず、端っこを歩くのだそうです。私は何も知らずに真ん中を歩いてしまいましたが、教えられて足元を見ると確かに真ん中は色が石の色が違っていて区別されているんですよね。神様を身近に感じている諏訪の皆さんの日常に少し驚きました。

・諏訪大社近くで御柱の曳行ルート沿いにある家は、御柱祭のときには自宅を開放してお振舞(おもてなし)をする。ご馳走をつくったりトイレを貸してあげたり、観光客も受け入れて歓迎する。そのため沿道沿いの民家は二階や屋根上の形状を工夫して、観光客が見物できるつくりにしている家も多い。

・諏訪地方の人々は6年に一度開催される御柱祭のために、多くの家が貯金をしている。

・諏訪地方の若者は御柱祭の年には結婚しない。御柱祭の年は貯金を使い果たすので、そもそもお金がない。

・御柱で立てる木は、元来は地元で伐採した木であったが、段々御柱祭にふさわしい大きさと樹齢の木が少なくなってしまい、いまは他の地区から調達している。

・他地区から調達していると言えど、御柱祭で使われる木はかなり前から決められており、「これが諏訪大社の御柱になる木」というのは、伐採される前から皆が知っているとのこと。

・諏訪大社の御柱になる木は本来特定の山で伐採された木が使われて来たが、今は、他地区から伐採した木をその山にトラックで運んで、そこから御柱祭(の曳行)をスタートさせている。

・原則として御柱祭への参加は女人禁制だが、女性が関われる手段が複数用意されていて、ラッパ隊には参加可能だし、お祭りでなければ女性も触れる。(ネットでは、女人禁制ではなくなっているという情報も見かけますが、彼女の中で女人禁制は揺らがないルールのようでした)

・御柱祭でけが人や死人は毎年のように出ているが、深刻に論議されることもなければ、やめようという人もいない。

以下は諏訪湖に関する聞き書き

諏訪市博物館より転載

・古代の男の神様と女の神様がそれぞれ、諏訪湖の対岸に降り立った。諏訪湖は冬になると湖面が凍るが、周辺から凍って行った結氷の先端がどこかで出会ってぶつかり、盛り上がったものが御神渡り(おみわたり)と呼ばれ、冬の間、男の神様が女の神様に会いに行く時の道筋とされている。

・諏訪湖の御神渡りはできる年とできない年があり、時期が来るたびに地域の神社の神主さんが「今年はできたか?できなかったか?」を公に判定する。その判定結果が他の重大ニュースを差し置いて地元のトップニュースとなり、新聞の一面を飾る。

・そのニュースはしばらくの間、諏訪地方の話題になる。

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ほかにも、色々な話を聞かせていただきました。たとえば、長野県(諏訪地方?)では、
ウド、三つ葉、フキは、買うものではなく自分の家でつくるものである。どこに家にも植わっている。人の家の庭に入ると『そこ、ウドだから踏まないでね』などと、普通に会話される」なんでももみ殻をかけて育てるらしいのですが、私の家(宮城県仙台市)でも、昔、祖母がもみ殻をかけてミョウガを育てていたので、その雰囲気はよくわかります。でもそれって、宮城県なのか、私の祖母や両親の故郷である秋田県の習慣なのか、よくわかりませんね^^

あとは・・・「長野県(諏訪地方?)では、当たり前のようにご近所から野生の鳥獣の肉をもらう。『シカ獲ったから』などど気軽に生肉を持ってきて、よく見ると少し毛が残っていたりするが、こちらでは普通である。そのためジビエ料理も盛んである。」などなど。

この3日間で、本当にたくさんのお話を伺いましたが、ひしひしと伝わってくるのは、諏訪地方に住む人の地元への愛着です。そして「観光する時間がない」と言った私に、「ぜひ諏訪大社を見に行って欲しい」と、お給料が出ないのにプライベートな時間を削ってまでも車で案内してくれる熱意と誇りかな。

私はふと、「仙台に住んでいる私が胸を張って県外から来た人に案内できるものはあるだろうか?」と考えてしまいました。仙台にも由緒ある寺社はあるし、観光名所はそれなりにあります。でも、熱意と誇りを持って案内できるか?”というところなんです。または、他県のお客様にここまで詳しく説明できるか?ってことなんですよね。

自分の答えはNOかも。青葉城址と言ったって、わずかの石垣しかないし上には何もないから、「連れて行っても失望されるのでは?」などと考えると、なんとなく胸を張れない。

大崎八幡宮の由来はよくわからないし、仙台七夕は道が混むので仕事の支障になるからちょっとうんざりな感じだし、中心地の一部の商店街に吹き流しを飾るだけのお祭りに、わざわざ他県から見に来る気持ちが理解できなかったりね。

私のような感覚までに至らなくても、出張に行った時に他県の人達が語る地元への愛や誇りや「ふるさと大好き」な熱弁に比べたら、たいていの仙台市民はそこまでの地元愛はないような気もします。そういった意味では、ふるさとの地元を毛嫌いする人が多い八戸・十和田(広義では南部)に似ているかもしれないね。

でも今回思ったことは、「もっと地元に詳しくなりたい」ということでした。「私なんかまだまだ」と言いながら、諏訪大社の氏子さんの話や、地元酒造メーカーの動向などを、世間話モードで当たり前のように詳しく話してくれる姿を、私は素敵でカッコいいと思いました。

ただひとつ、ちょっぴり残念だったこと。それは、最近私がハマッているオリエンタルラジオ(厳密にはRADIO FISH)に関して、諏訪出身の藤森慎吾クンの評価が地元ではなんとなくイマイチと感じたこと(^^;) 私はここ最近の一連のRADIO FISHの活動で、藤森慎吾クンの才能を改めて見直した一人なんですが、そんな話をしても、地元の皆さんはどこか冷ややかなんですよね。

「そういうヤツもいたな。よくわかんないけど。」(前述の美容師さん)「あぁ、実家はうちのすぐそば。うちの〇〇と中学が同じみたいだけどね。」(今回の仕事先担当者)。えー、私なんて、藤森クンの出身高校である駿台甲府高校が特急あずさの車窓から見えただけでも妙にテンション上がってうれしくなっちゃったなのに、この冷め冷め感はなに?




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