面接コーチング

母を変えた魔法の言葉 > 現在の記事 > 親近感と敬語

mensetsu_coaching.jpg

ある若者に採用面接の練習を依頼されました。

 

私は彼に聞いてみました。

 

じゃ、最初に月並みな質問ね。
「あなたはなぜこの仕事を志望したのですか?」

 

彼は言いました。

 

「地域の役に立つ人命救助の仕事をしたかったからです。」

 

私は思いました。
そうかな?本当かな?

 

そして言いました。

 

「その仕事ってカッコイイよね!
私は憧れる!すごくカッコいいと思う!」

 

すると彼の表情が一変して輝き、
「うん、カッコいいんだよね〜っ!!!
めっちゃカッコいいよね。」

 

彼は手元のファイルからあれこれ資料を取り出し、
すでにその仕事に就いている先輩達の、
写真や手記を見せながら、
自分の夢を目を輝かせて語り始めました。

 

その表情は、「地域に役立つ人命救助」と言った時の彼とは、
まるで別人のようでした。

 

なので私は言いました。

 

「そう!その顔!その表情!
そっちのほうがよっぽど面接官の心を打つよ?
どうせダメかもしれないなら、
思い切ってその思いを伝えてみたら?」

 

カッコいい!だからなりたい!
それは彼が、自分の本当の気持ちを、
始めて表に出した瞬間でした。
そしてそれが彼の強いモチベーションになりました。

 

いいんです、それで。
それでいいんです。
建前の動機なんてクソ喰らえです^^
それを表に出して、誰かと共有できるのが大事なんです。

 

    *    *    *    *    *    *

 

一か月後、彼は見事に最終面接を突破して、
苦節4年目にして初めて希望する仕事の正職員となりました。

 

彼が面接で何をどう話したのか、
私には詳しくわかりませんが、
その仕事へのピュアで素直な熱さが言葉に自然に滲み出たなら、
そこにはいい空気が生まれたかもしれません。

 

ネットの合格発表で、受かったことを知った時、
彼は珍しく号泣しました。
それは試験のたびに不合格を繰り返してきた彼の、
不安や劣等感を一瞬で払しょくするものでした。

 

    *    *    *    *    *    *

 

「彼」は私の息子です。

 

卒業したのに就職できない、面接が通らない、
クライアントさんからそんなお話を伺うたびに、
私は息子を思い出すのです。
私は息子の顔がパッと明るく輝いた、
あの瞬間を忘れられないんですよね。

 

「カッコいいから」
「尊敬されたい」
「人に感謝されたい」
「自分を軽蔑した誰かを見返したい」
「お金持ちになりたい」
「その分野が意味もなくただ好き!」

 

そんな感覚的な理由での職業選択に、
大人はNOを突き付けがちです。
だから言えない。言葉にできない。
そしてもっともな理由を探して、
他人も自分自身も納得させようとします。

 

でもね、私はそれでもいいと思うんです。
人を動かすのに一番強力なのは、
理屈ではなく、原始的な感情です。

 

それはたぶん、理論や常識よりも、
強い魅力を放って、その人を捉えて離さないです。

 

だったらそれでもいいじゃん。
走りたい方向に走ってみれば。
それで成功を手にできるのなら。

 

「モテたい一心でギターを始めた」
「人手が足りないから手伝ってと言われた」
そんな理由で音楽に携わっても、
のちに才能が開花して、
大成する実力派のミュージシャンもたくさんいるのですから、
もしかしたら入口にそれほど大きくこだわらなくても、
いいのかもしれないって思うんです。

 

一歩足を踏み入れた後に、
どう進化していくのかは、あとはその人次第。
正統な夢でも挫折はあるし、
変な入り方でも、環境が人を変えていくこともあります。

 

要は、その人が何かにあこがれて、
そんな風になりたいと思う気持ちって、
案外自分の本質に沿っていて、
自分に取って一番ふさわしく実現可能なものを、
無意識に選択しているのかもしれません。

 

「カッコいい」という言葉は、
彼がそのとき始めて親に対して、
口に出した重要なキーワードでした。
ですが私はそこに強く共感できました。
その命が光り輝くような思いに、
親はあまり制限をかけちゃいけないように思うんです。

 

人には、相手が誰であっても、
逆境であればあるほど立ち向かって行ける人と、
支援者の賛同を得て初めて安定する人と、
二通りあると思います。

 

ですが今の風潮や社会傾向では、
前者は稀で、たいてい後者なのでは?と感じます。

 

    *    *    *    *    *    *

 

両親の理解と心からの応援って、
すごく人を強くするんだと思う。
だからこそ転んでも落ちても、
走っていけるんだと思う。

 

私は仕事にかまけて家庭を手抜きにしてきたダメダメな母親で、
振り返るたびに後悔や反省がとても大きいのですが、
それでも素直で柔らかくしっかりとした大人に成長してくれた息子達には、
感謝の気持ちで一杯だし、親バカですが二人とも、
自慢の息子だと思います。(こんな場で親ばか、すみません^^)

 

※そう、私は二人の息子達のファンなんです!
※どんなときでも「絶対やってくれる!」って信じているんです。

 

子供達の就職に際して、
親は子がストレスを感じる「敵」となるのではなく、
何があっても背後で背中を支える、
防護壁のようになっていれば、
子供達は振り返らずに元気に走っていけるんじゃないかな。

 

ダメダメも失敗も後悔も、
ストレートに両親と共有できるようになれば、
お子さんはきっと変わっていくし、
キラキラと輝く瞳でいい面接に臨めるのではないかと思います。

 

今日は面接に関するコーチングのお話でした。

 

 

 

|2010年6月 6日 20:56|笹崎|

トラックバック(0)

このブログ記事を参照しているブログ一覧: 面接コーチング

このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.what.is.yourvision.jp/MT/mt-tb.cgi/301

コメント(2)

とても腑に落ちました。
全て心に入る記事です。

私も笹崎さんのようなコーチになりたいです。

ありがとうございます!
うちは長男も次男も決してストレートな道のりではありませんでしたが、
親としてコーチングを勉強しておいて本当によかったと思っています。
そんな経験がいますごく役に立っています。

コメントをどうぞ